「わが師わが友」(山口瞳著)を読む 伊丹十三著の「ヨーロッパ退屈日記」(昭和40年刊)に著者の一文が載せてあります。 「私はこの本が中学生、高校生に読まれることを希望する。汚れてしまった大人たちではもう遅いのである」 「わが師わが友」の中に「ひとつの青春」というエッセイがあります。 著者がサントリーの宣伝部にいたあの頃のことが綴られてありますが、最後の一文を記してみます。 「数え齢50歳になった私が、いま、若い宣伝部員に偉そうに苦言を呈するならば「脳ミソがカラカラになるまで知恵を絞ってみろ。そのうえで体当たりで冒険をしてみろ」ということに尽きる。 あのころは、しかし、仕事がやり易かった。楽しかった。あのころは、しかし、いかにも金がなかった。今は贅沢である。いまの私は贅沢である。しかし、その贅沢の、なんと孤独で貧しいことか」(本分より) 著者の本もまた、若い人に読んで欲しいと思います。 あのころを、今、作って欲しいと願います。 絵は、伊丹十三氏(似ていない)
by masagorotabi
| 2013-01-18 19:24
| 読書日記
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