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呪いの時代

「呪いの時代」(内田樹著)を読む


現代の社会は、他人を陥れることに熱心で、呪いによって相手を完膚無きに叩き潰す。
そうした行為は、増えいていているのではと著者は記していますが、その理由としては賃金格差、ネットの中の平等社会の構築というものが、他人への刃となっているのではと思います。

ヘルマン・ヘッセの言葉にこういうものがあります。
『人間は、自分の欠点を他人に投射して、他人を非難する癖があります。自分の中にある悪しきものと直接向き合うことをしないで、他人に自分の中にある悪しきものを見出して、それを非難しようとするのです。』

他人を嫌いになるのがいやならば、自分を好きになればいいのだけど、「他人の不幸は蜜の味」という言葉があるように、甘い所に向かってしまう。(それでいて自分が嫌い)
だけど、それはボディブローのように自らの身を焦がし、自己嫌悪の固まりとなって夜な夜な寝姿を襲って、眠れぬ夜を過ごすことになってしまう。

著者による処方箋は「祝福」です。
自分を好きになるように努力して、他者の美点にはアプローズ(拍手)する、そんな生活を心がけたい。
by masagorotabi | 2014-10-15 20:38 | 読書日記 | Comments(0)
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