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加藤周一

「ひとりでいいんです(加藤周一の遺した言葉)」を読む

満州事変から戦争終結の15年戦争の流れを的確に表現されていて、その時の雰囲気も分かりやすく描かれています。
2.26事件の時も、学校が休校なのに、あえて町に出てその時の警官の様子が描かれていています。
一大事件にも関わらず、その時の警官は優しく諭すように家に帰りなさいと言ったそうです。

質問形式での解答で、日本の借金についても分かりやすく説明されています。
政府の借金は、「国民大衆に転嫁されるような気がします(本文より)」
その方法は2つ。ひとつは「大衆課税。間接税と呼ばれるもので、消費税がそうです。
(本文より)」
もう一つは、インフレーション。「国債を発行して借金が膨大になっていても、円であれば切り下げればいいわけでしょう。つまりは大蔵省(財務省)で沢山紙幣を印刷すればいいんですから。一万円札の原価、価値ではなくて、紙幣と印刷代は一枚いくらだと思いますか?あれは20円ぐらいなんですよ。それをじゃんじゃん印刷すれば、貨幣価値が下がってインフレになる。すると国民の購買力が低下して、じっさいはより貧乏になる。これは江戸時代からとられている方法です。(本文より)」

演劇に対しても日本は金を出さないと苦言を呈していますが、大学の文系も圧縮の気配があります。あくまで経済を優先するという姿勢ですが、寺田寅彦のような科学者は必要ないということなのだろうか・・・

それにしても本物の知識人の言葉は分かりやすい。
これからも加藤周一(呼び捨てという敬意)の本は繰り返して読むことになるであろう。
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by masagorotabi | 2016-01-14 19:49 | 読書日記 | Comments(0)
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