カテゴリ:読書日記( 278 )

悪口と騙し

「悪口という文化」
「ひとはなぜ騙すのか(狡智の文化史)」共に山本幸司著

図書館で何気に借りた本ですが、買って手元に置いておきたいと思いました。

悪口は、近代以前は認められていたそうです。
ただし、悪口の定義は、公然に場でその人に向かってのみに限られ、陰口などは除外されるとあります。

狡智も、悪口と同様に認められていたそうで(オレオレ詐欺のようなものは論外)、現代社会のように、悪口、騙しの全てを邪険にするようなギスギスした世の中よりも、上手くいくのではと思います。

日本の祭りには、悪口祭というのがあり、公然と悪口を言える環境というのも、悪くないなと思います。

そういえば、悪党出身の楠木正成という歴史上の人物がいますが、悪という言葉は現代に私たちが使っている意味とは、若干違うのかなあと思ったりします。
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by masagorotabi | 2013-11-29 20:05 | 読書日記 | Comments(0)

読書日記

「天使のナイフ」 (薬丸岳著)を読む

妻が少年たちに殺され、小さな娘と暮らす主人公。
数年後、少年Bが何者かに殺されます。
少年法、贖罪とは、そんなことが核になって物語は進んでいきます。
難しい問題を、ミステリーという形で表現されていられるので、すんなりと読むことが出来ます。

「ひなた弁当」(山本甲士著)

50歳手前でリストラに合い、ひょんなことでドングリを食べたら意外にも美味しく、自然にあるものから弁当を作って売ることになります。
オイカワ、ブルーギル、マブナ、天然うなぎ、野生に生えている草などを使った弁当ですが、だんだんキラキラと輝いて来る主人公に注目です。
心が温かくなる、そんな物語です。
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by masagorotabi | 2013-11-14 20:18 | 読書日記 | Comments(0)

虚夢

「虚夢」(薬丸岳著)を読む

通り魔に娘を殺された夫婦。
犯人は、心神喪失として罪に問われず、夫婦は離婚。
その犯人が、住んでいる街で見かけたら、人はどんな行動をするのだろうか。

刑法三十九条。
心神喪失あるいは酩酊状態の時には、罪に問われないという法律。
理不尽までに殺された遺族にとっては、なんとも歯がゆい法である。

物語は、色んな人たちの痛みが交差して進んでいきます。
加害者と被害者、多くの未来が失われていく。

失われた未来から、答えなど見つかるはずもない。
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by masagorotabi | 2013-10-29 19:50 | 読書日記 | Comments(0)

ときめき

「王貞治に学ぶ日本人の生き方」(斉藤孝著)を読む

お金が大事か、愛が大事かという質問がありますが、これは、必要最小限の生活するお金があった上でないと成り立たないと思っています。

王さんが監督を辞める時の会見で、こんなことを言っているそうです。
「心をときめかせて、68歳になりながら、まだこういう形でやれるというのは、本当に幸せだったと思います。ユニホームを脱いだら、このときめきをどうおこしたらいいのか、見当がつかない」

何度も、ときめきという言葉を使っていたそうですが、一般生活のなかで、このときめきを持続的に感じることは殆どない。
勝負には厳しさがつきものだが、同時に、このときめきも手に入れることができる。

お金が大事か、ときめきが大事か?
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by masagorotabi | 2013-10-27 22:14 | 読書日記 | Comments(0)

図書館で借りる

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「オンザロード」は、最近映画にもなっていますが、少し読み始めると面白そうなので、文庫で買ってから読もうかなとも思っています。(長いので)
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by masagorotabi | 2013-09-05 21:34 | 読書日記 | Comments(0)

リスク

「寺田寅彦と現代」(池内了著)を読む

「天災は忘れた頃にやってくる」というのは寺田寅彦の言葉だと伝えられていますが、実際には、そのままの記述はなく、似たようなことを書いています。

何故、人は大切なことを忘れてしまうのか?
おそらく、そうしないと前に進めないからと思われる。

だが、決して忘れてはならないものもあるわけで、それが教訓として身を持って刷り込めばよいのだろうが、そうは問屋が卸さないのが人間という生き物の甲斐性の無さなのかもしれない。

寺田寅彦は、そんな人間の性質に嘆き絶望する。

リスクを回避するために全力を尽くす・・
それは形になって現れることはないので、いい準備をしても、泡となって消えてしまうことも多く、我々は、そうした行動を怠る。

何も起こらない一日に乾杯!
(火の粉がかからないように尽力した成果でもある)
退屈な日常も、この世の中には存在しないのだ。
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by masagorotabi | 2013-08-19 22:24 | 読書日記 | Comments(0)

かけがえのない生活

「ユニクロ帝国の光と影」(横田増生著)を読む

なぜ製品が良く安価なのか、それによって何を得て何を失ったのかがよくわかります。

離職率の高い企業であるということは、ネット記事などで知っていましたが、働いている側にスポットを当てると、過酷な現状が見えてきます。

徹底したマニュアルと仕事量、店長としては自分の色を出す隙さえありません。
それは軍隊にも似た世界で、休憩室に入る時でさえ、一声かけてではないといけないそうです。

逆にいうと、自主性に任せた仕事をさせたらどうなるか?
善良な人間なんて極めて少ないので、質の高い接客は無理なのであろう。

雑誌「暮しの手帖」の編集長のエッセイを読んだことがあります。
その中で、給料の半分は会社にいない時のものとして考えて欲しいと、働いている人たちに伝えたそうです。(うろ覚え)

自分たちのかけがえのない生活もまた、仕事の延長線ということなのか?
仕事あってこその充実した生活、またはその逆ということなのか?
編集長の言葉は、働いている人たちにとっては、どれだけ救われるか、そんなことを考えました。

僕は、善良な人たちから製品を受け取りたい。
それが、心地よい記憶として残り、かけがえのない生活だと思う。
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by masagorotabi | 2013-07-25 20:59 | 読書日記 | Comments(0)

達成感

「伊丹十三の本」(「考える人」編集部編」)を読む

映画のADという仕事は、それほど楽しいものではないけど、その中でテーマを決めよと伊丹さんは話したそうです。
目標の設定とその達成感が大事として、今日は挨拶を明るくしてみよう、誰よりも迅速に弁当を配ろうとか、そうした些細な出来事の中で、面白さを見つける楽しさを仕事の中に見出していったのかもしれません。

ただ何気なく生活するのではなく、どんな小さな達成感でもその積み重ねで、いずれそれは大木になるのではないかという、そんな予感すらします。
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by masagorotabi | 2013-07-11 21:09 | 読書日記 | Comments(0)

企業戦士

「シャイロックの子供たち」(池井戸潤著)を読む

銀行に関わる人たちの、連作短編集です。

読んでいると、金融業に関わる仕事をしている人たちは、大変なのだなあと思わせてくれるのですが、まさしくそれは企業戦士と言われるものなのかもしれません。

思い出したのが、「約束された場所で」(村上春樹著)の本でした。
オウムの信者だった人たちのインタビューと河合隼雄氏との対談という内容でした。

その中に、あるサラリーマンの言葉で、もし会社にやれと言われたらサリンをまくかもしれないというものがありました。(うろ覚え)
まさしく戦場であるなと感じます。

もひとつ印象に残っていたのが、オウムの信者には感じのいい人が多かったというものです。
年配者になればなるほど、オウムは絶対に許さないという意見が多く、若い人たちは気持ちは分かるというスタンスで接しているのも興味深いです。

オウムとはなんだったのか?
その答えは、ブラック企業、オレオレ詐欺が問題になっている現代社会にも通じる病巣であり、その中から見つけ出していかないといけないのだろうと思うのです。

人は、もっと楽に生きられないのだろうか・・
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by masagorotabi | 2013-07-07 19:58 | 読書日記 | Comments(0)

自信

「死ぬここと生きること」(土門拳著)

著者は写真家ですが、アマチュアとプロの違いを論じています。
プロの場合は、使用目的を与えられ、迷いなく被写体に向かうことができ、反面アマチュアの場合は、そういったものがなく、自信を持って被写体に接することができないとあります。
(植田正治のように自らを「アマチュア写真家」と称した、すばらしい写真かもおりますが)

こうも書いています。
「プロになったら、好きな写真は撮れないのだ。毎日、撮りたくもない写真を撮って暮らすのが、プロというものなのだ」(本文より)

必要とされ、撮りたくもない写真を撮り、それに応えるのがプロとすれば、自信を持つということは、なんて残酷なことだろう。
好きな写真を撮っているということは、自信を持つことさえ許されないことなのだろうか。
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by masagorotabi | 2013-06-10 21:26 | 読書日記 | Comments(0)