カテゴリ:読書日記( 270 )

ウイスキー

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「ウイスキーは日本の酒である」(輿水精一著 新潮新書刊)を読む

著者はサントリーのブレンダーです。
ジャパニーズウイスキーは優れた技量のもとで、世界的にも評価されていますが、その理由として真摯であり、繊細なまでに情熱を傾けたことがあげられるのではないだろうか。

こうした人は、高級なものを飲んでいるのではと思っていましたが、普段は角瓶を愛飲しているそうです。
飲み方に関しても、これが正しいという飲み方はなく、人それぞれが選べば良いと記しています。

僕自身は、最近は酒は飲んでいないのですが、おいしい酒と飲み方をすれば生活を豊かなものにしてくれるだろうと思っています。

ニッカウヰスキーの創始者の竹鶴正孝は、一日にボトル一本を開けたそうですが、その時間はどんな時なのだろうかと、そして、それほどまでにウイスキーを愛することができるのは羨ましく思います。
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by masagorotabi | 2012-12-10 20:35 | 読書日記 | Comments(0)

旅バクダン

「水曜日の神さま」(角田光代著)を読む

著者自身がバックパッカーとして旅したエッセイなども収録されています。

「必要なものはほんの少し」という一文では、七つ道具さえあれば東京でも生きていける、と結ばれています。
少ない荷物で旅した経験のある人ならば、普段の生活がいかに荷物に溢れているか嘆くこともあるでしょう。

旅には高揚感があって、それが全てを網羅してしまう力がある。
普段の生活の中で、そういったものを持ち得ることはなかなか難しい。

旅爆弾とうものがあって、普段の生活の中に放り込んであげることができれば、僕たちの生活は輝き出すだろう。
旅には、そういった力もあると思う。
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by masagorotabi | 2012-12-07 20:59 | 読書日記 | Comments(0)

裕福と貧乏

「わが青春の遺産」(浮谷東次郎著)を再読する

ぱらぱらって読んだだけですが、その中にこんな一文がありました。
『一度、本田君のお父さんから、「博ちゃんと世界旅行しないかい。それならお金を出して・・」と言ってもらった。』

本田君のお父さんとは、本田宗一郎氏のことで、博ちゃんはご子息の博俊氏のことです。
裕福ってステキ!と思う一文ですが、著者自身も財閥の子として生まれ、恵まれた環境で育っています。(本人もそれを認めています)
破天荒で天衣無縫の性格も、そんな環境が育んだのでしょう。

ほぼ同時期に連続射殺魔の永山則夫がいますが、こちらは悲惨な幼少期を過ごします。
誰からも愛されないで過ごすというのは、どういったことなのかと考えさせられます。

作家の色川武大氏のエッセイを読んだ時に、愛されないよりも溺愛でもいいから愛された方が良いということが書かれてあったのを思い出しましたが、永山則夫がもし誰か一人でも愛されることがあったなら、何もしていない3人を拳銃で撃つことはなかったでしょう。

裕福か貧乏かと問われたら、裕福の方がいいでしょうと思います。
生まれながらにして自信が持ててスピードダッシュができる、そのあとは本人の資質になると思うけど、その差は大きいかな。
貧乏は差別とイジメとも闘わないといけないから、その時点でぶっ倒れるかもしれないし、生活だけで手が一杯ということにもなりかねない。

でも、いろんな世界を覗けるという点では、成り上がりの方が人生としては面白いと思う。
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by masagorotabi | 2012-12-05 20:21 | 読書日記 | Comments(0)

日本人は何を捨ててきたか

「日本人は何を捨ててきたか(思想家・鶴見俊輔の肉声)」 鶴見俊輔、夏川夏央著を読む

「樽」「個人」という言葉がキーワードになっています。

明治維新までは、日本人は「個人」として生活してきて、それ以降は「樽」を作ってその中で暮らしているといいます。

「個人」があった場合には、傑出した人物が出現したりしますが、よくできた「樽」が出来たとたん「個人」は封殺され、「檻」の中で暮らします。

この本で書かれている一番病(東大が一番とか)、名刺病(肩書き)が好きな日本人は、立派な熟成されえた「樽」の申し子みたいなもので、そこには「個人」がなかったりします。

いかに「個人」の力を発揮するか、そのキーワードとして「ただの人」というのが出てくるのだけど、「ただの人」でいるのは難しい。

この本にも時々出てくる藤沢周平は、「ただの人」を書き続けたと思うし、小津安二郎も「ただの人」を映像として描き続けたと思う。
本当に立派なのは、そういった人たちだと、僕はこの本を読んで理解しました。
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by masagorotabi | 2012-11-29 21:18 | 読書日記 | Comments(0)

長距離走者の孤独

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野呂邦暢の随筆を読んでいたら、この本のことが書かれていて、突如読みたくなり本屋3軒をはしごをしましたが売っておらず、図書館で借りてきました。

実は、この本は過去に読んでいて本も持っていたのですが処分してしまいました。
その頃は読んでもさほど感動はしなかったのだろうけど、今回は色々と考えさせられました。

主人公は社会的弱者なのですが、こうした人間でしか持つことが出来ない反骨精神は、現代の日本にも通じるものがあるのかもしれません。
弱いものは虐めるが反逆はしない、そんな人間にこそ読んでもらいたい本であるなと思いました。
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by masagorotabi | 2012-11-24 21:21 | 読書日記 | Comments(0)

野呂邦暢

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この人の随筆はやはり面白い。
こころにじんわりと入ってくるようで心地よい。

みすず書房からは3冊の本が出版されていますが、それ以外は古本か図書館でしか読むことができません。
野呂邦暢(のろくにのぶ)と聞いても、知らないと答える人が多いのだろうなあ。

丁寧に読んでいこうと思います。
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by masagorotabi | 2012-11-06 20:41 | 読書日記 | Comments(0)

宝物探し

「人生なんてくそくらえ」(丸山健二著)を読む

誰もが等しく潜在的な能力を持っていると、著者は記します。
しかし、そんな宝物を持っていても探し出すのは難しい、一生の間に探し出すことも出来ない人もいるともあります。

もし、そんなものを探し当て、それに夢中になれたとしたらどんなに自分の人生が光り輝き出すことだろう。
他人の悪口や陰口、いじめの加害者になるという下等な生活をおくることもなく、生活自体も簡素化し、より集中した時間を過ごすことが出来る。

が、そういうことができるものを持っている人は、この世の中にどれくらいいるのだろうか。

「オレの邪魔をしたら、張り倒すよ!」
おそらく宝物を探し当てた人は、こういうセリフを吐くに違いない。
巷では、学校生活のイジメがクローズアップされているけど、イジメの被害にあっている人は、ぜひ大切な宝物を探し当て、胸を張って生きてもらいたい。
邪魔をされたら張り倒せばいいんです。
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by masagorotabi | 2012-09-11 22:27 | 読書日記 | Comments(0)

手紙

「錦繍」(宮本輝著)を読む

夫が心中事件を起こし、それがきっかけで離婚をしてしまいます。

元妻の方は、その後結婚をし、子供を授かりますが、軽度の障害児として育てることになります。
ある時ある場所で二人は邂逅し、手紙を通して過去の出来事を埋め合わせていきます。

過去に理不尽な別れ方や、理解しがたい出来後を経験した人にとっては、この小説の意味することが分かりやすいような気がします。
手紙という手段でしかふたりが分かりあえない、往復書簡という形態ですが、どこか自分の過去と重なり合わせている自分自身がいます。

誤解という、我々が過去に持つ過ちが、海辺に付けた足跡が波にさらわれ跡形もなく消えて行く様に、すっきりすることができたら、明るい未来が開けていくような気がします。

「さようなら」という終わり方も、どこかそんな暗示を感じます。
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by masagorotabi | 2012-07-20 22:35 | 読書日記 | Comments(0)

センス

『死ぬの大好き』(山本夏彦著)を読み始めてみました。

数多くのコラムの中に、社会的なもの、戦前のことなどが載っていて、ネット社会とは異質な感じがして、新鮮に読むことができます。

戦前は貧乏で、お金があればどれだけオシャレに出来ると思ったが、一億中流社会になってそれがとんだ間違いだと記されてあります。
オシャレには、センスが大事であるとありますが、オシャレを幸福に置き換えても、そのまま意味は通じると思います。

モノや金では、幸福にはなれないんだと痛感しますが、幸福になる鍵は何かと問われたなら、「幸福だ!」と自己申告できるハッタリだと僕は思っています。
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by masagorotabi | 2012-05-31 20:12 | 読書日記 | Comments(0)

あの頃は夢があった

「本田宗一郎 思うままに生きろ」(梶原一明著)を読む

図書館で借りて読んでいたら、前に読んでいました。

この頃には、日本には夢があったなあという感想を持ったのですが、その理由として本田技研創始者のお二人が、早々と後進に道を譲り、ご自分の子供に会社を継がせなかったこと、こうした風潮は日本社会にも影響を及ぼしたと思うからです。

天才技術者であり、天才気配りやであり、その天真爛漫さは夢の語り部として多くの若者たちの心をつかんでいたに違いない。

実は、僕は高校生の時にホンダ製原付オフ車に乗っていました。
そんなに頻繁に乗っていたわけではないですが、僕にも多少はホンダスピリッツが宿っているに違いないと勝手に思っています。

この本の著者は、先頃亡くなわれたという記事を読みました。
ひっそりと身内だけの葬儀とあったと思いますが、それは本田宗一郎氏の影響があったのかなあと思いました。
(本田氏は、戒名も葬儀も通夜も、そういった類いのことはしなかったそうですので)
合掌
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by masagorotabi | 2012-04-25 22:09 | 読書日記 | Comments(0)