カテゴリ:読書日記( 254 )

戦争

「日本兵を殺した父(ピュリッツアー賞作家が見た沖縄戦と元兵士たち)」(デール・マハリッジ著)を読む

猟奇的な事件が起きた時に、目を覆いたくなる気分にさせられますが、戦争というのはそれが日常的に起きます。
沖縄戦時、日本兵は沖縄の民間人を虫けらのように扱ったとか、そんな記述を読むと戦争は人間を狂気させるのだなあと思います。

日本兵はしぶといという記述もありましたが、もし本土決戦になったら多くの民間人、日本、アメリカの兵士が死んだであろうという憶測があり、それによって原爆投下を正当化されたりします。

記憶は定かではないのですが、日露戦争で日本が勝利した時に、アメリカは「オレンジ計画」というものを作成して、日本を植民地にした時に、どのように行動するかを定めたそうです。
元米軍兵士の言葉で、アメリカは戦争が好きなんだというのがこの本の中にありましたが、歴史をみれば、インデアンを虐殺してアメリカを作り、メキシコからカルフォルニアを奪い、その後も戦争に(言いがかりをつけて)加担をしています。
[PR]
by masagorotabi | 2016-11-03 20:48 | 読書日記 | Comments(0)

女装

「女装をして、一年間暮らしてみました。」(クリスチャン・ザイデル著)を読む

男の中にも、女性的な部分があるそうで、著者は試しに女装をするのではなくて、女性的な部分が女装という衝動にかられました。

女として男を眺めてみると、ファッション、行動について男は常に武装して自由さを感じられないという思いを抱くに至ったそうです。

女装を通じて思ったことは、「普通」が絶対的な基準となり、それにそぐわないものに対しては攻撃を始め、全体主義という状態に「普通」がおとしめてしまうことを懸念します。

男にしろ女にしろ、多少は異性の感性というものを持っているのだから、女装をしたり男装をしたりして相手の立場を分かり合うことも必要なことなのかもしれません。
(ただ、無理解で離れていった友人たちがいたそうですが)

尾木ママさんは、女性言葉を使うことで、相手に伝わりやすいからと語っていたのを見たことがありますが、男がそういった言葉を使うことでそういう面があるのだろうと思います。

オカマバーというのは一度も行ったことがありませんが、ああいった人たちは男という生き物を一番理解しているひとたちなんだろうなと思います。

余談ですが、山田太一脚本のドラマで、結婚相手の両親(岸部一徳さんと風間杜夫さん)が共に同じ女装クラブの会員であったという展開のものがありましたが、この本を読んで女装をするという行為は「変」なことではなくて、「普通」の出来事なのだろうと思いました。
山田太一さんは、そのことを一番理解していた方なんだろう。(今頃気づく私はバカだ!)
[PR]
by masagorotabi | 2016-11-01 20:07 | 読書日記 | Comments(0)

活動家

「活動家一丁上がり!(社会にモノ言う初めの一歩)」(湯浅誠著)を読む

活動家というと、ちょっと不穏なことを思い浮かべるかもしれませんが、弱い立場の人たちにとっては、そういった人たちが必要な時があります。

先日、夜中に目が覚めてしまってラジオをつけたところ、南方熊楠のことを話されていました。
柳田国男から「日本人の可能性の極限」と言わしめた男でした。

小さな神社やお寺が潰されていた時代があったのですが、その時に熊楠は立ち上がりました。
日本で初めてエコロジーという言葉を使い、森の大事さをひとりで訴え続けました。

活動家としての走りだったのかもしれませんが、そのような人がいないとブレーキの利かない機関車のように、世の中の空気は突き進んでしまうのであろう。
[PR]
by masagorotabi | 2016-10-28 20:10 | 読書日記 | Comments(0)

嫉妬

「嫉妬がやめられない人」(片田珠美著)を読む

村上春樹氏と元編集者の確執(村上氏を見出した編集者でありながら、作品では叶わなかった嫉妬から)、ロケットの父、糸川英夫氏と新聞記者の確執(大学の同級生であったが、どうしても糸川博士には叶わなかった積年の恨みから)、秀吉と秀次、俳優の長門裕之氏と津川雅彦氏(弟が両親から溺愛)、三島由紀夫の松本清張への嫉妬、林芙美子の自己愛からの嫉妬など、実例を挙げてもらうと面白かったりします。(失礼ですが)

小泉進次郎議員は、ひしひしと嫉妬を感じる政治の世界で、嫉妬されない処世術を発揮して、敵を作らないように気をつけているそうです。
それでも、誰かのリークで雑誌に載ってしまうこともありますが・・

では、嫉妬から逃れるようにするにはどうしたらいいのか?
嫉妬を感じない人はいないのだから、嫉妬を自分で認めて、加害者になろうと被害者になろうとその場所から逃げることをあげています。

多様な人たちとの交流、価値観を持ち、正当な努力を続け、できないことには執着せず、できないことを受け入れる、こういったことを勧めています。

手塚治虫先生も、そうとうな嫉妬深さで、本当は新人賞の選考委員などしたくはなかったとか、ライバルが死んでしまって、ホッとしている自分がいたりしたそうです(もう嫉妬しなくてすむという意味で)。
でも、その嫉妬深さを想像力というバネで多くの傑作を排出しました。(たとえば、「ゲゲゲの鬼太郎」に対抗して「どろろ」を制作したり)
こうしたことが天才といわれる由縁ですが、手塚先生も嫉妬をしていたんだと思うと、どこかホッとしてしまう自分がいます。(人間味があるという意味で)
[PR]
by masagorotabi | 2016-10-21 19:50 | 読書日記 | Comments(0)

読書

「読書の腕前」(岡崎武志著)を読む

著者は1年間に古本2000冊新本1000冊を買うほどの読書家です。

加藤周一、中村真一郎、福永武彦、こういった知の巨人を引き合いに出し、読書をすれば「品」というものが備えられるとも記されています。(納得します)

それにしても、これだけの本を読めるのかと思ってしまいますが、白洲正子のエッセイの中に、数ページだけ読んだだけで中身が分かってしまうと書かれていましたので、腕前が上がれば1を知って10を知るではありませんが、そのようなことも可能なのであろう。

読書家にとっては本が貯まることは頭痛の種なのでしょうけど、著者もまたそのような苦労をかかえます。

カヌーイスとの野田さんが、カヌー旅行の時には読んだ本は飯を炊く時の燃料にするという記述があり、旅行中はそれもありかなと思い、私も1回くらい真似たことがありました。
本を燃やすというのは、作者にとって失礼にあたるかなと思いましたが、読みたければまた買えばよろしいと思ったことは、よい想い出です。

余談ですが、松本清張はひと月に3000枚の原稿を書いたそうです。(そのためにゴーストがいたのではないかと噂されたそうです)その他にも、膨大な資料を読んだことでしょうから、こういった人の頭の中はどういう構造なのかを知りたいと思いました。
[PR]
by masagorotabi | 2016-10-14 20:27 | 読書日記 | Comments(0)

道徳

「新しい道徳」(北野武著)を読む

江戸時代あたりは、芸人は河原乞食と呼ばれ蔑みされていました。
その原因は、食うや食わずの生活の中で好きなことやって生活している人たちを羨ましく思ったのではないかと記しています。(エライ人たちも、芸人を呼んで笑っていた。)

副題は『「いいことをすると気持ちいい」のはなぜか』です。
群れの中で生活している人間は、社会との関わりの中で生きることしかできないので、その一因になれた喜びで気持ちよさを感じる、といった内容のことが書かれています。

コンビニなどで、たむろしている人たちがいますが、こういった人たちも社会と関わりたいという気持ちがあるから、他人から邪魔だと思われてもああいった行動をするのではないかと思います。

向上心がある人は礼儀正しいということも書かれてあります。
こういった人は、他人を不愉快にしないし、負の感情も持ち合わせる時間もないのだろう。
なにより、人とのつながりが一難大事だという認識があるのかもしれない。

著者は、押し付けられた道徳よりも、個人が個人としての道徳心を持つことを推奨しています。
[PR]
by masagorotabi | 2016-10-09 19:00 | 読書日記 | Comments(0)

雑草

「植物はなぜ動かないのか」(稲垣栄洋著)を読む

木が進化して植物になったとか、身を守る為に毒を作ったとか、植物にまつわる話が記されています。(恐竜絶滅にも植物が関与しているともいわれているそうです。高い木だったものが進化して植物になり、その影響も関与しているとも。)
雑草魂、雑草軍団という言葉は、厄介者と扱われる外国とは違い、日本では良心的に捕えられることがあるとも書かれてあります。

たしか昭和天皇は、雑草といわれる草はないとおっしゃって、皇居の草を刈らせなかったと思います。

身近でありながら、草のことは殆ど眼中に入らないくらい現代人は文明とやらにどっぷりとはまってしまった。
[PR]
by masagorotabi | 2016-10-08 20:32 | 読書日記 | Comments(0)

なぜ私たちは差別をするのか?

「差別の民俗学」(赤松啓介著)を読む

警察の留置場や刑務所へ行くのをすすめることもないが、娑婆ではわからないこともわかってくる。たとえば、スリ、泥棒、オカマなどの世界でも、あらゆる隙を見つけては差別を作っていた。「人の上に人をつくらず」というのは上向きの人間がいうことで、しもじもの者は、「人の下に人をつくる」ために一生懸命に努力している構造はなんとも無惨なことではないか。少しでも表層へ浮上する為には、その下に踏み込んでおいて支えにする材料がなければならない。それをしなかったら、自身が踏み埋められて、他人の支えに使われる。」(P43)

だれも生まれながらにして犯罪者である人はなく、ほとんど後天的な環境であるといえる。たとえ少数の先天的素質がある人があるとしても、それは精神的病理の問題というべきであろう。私たちは犯罪者を笑う資格はないし、その責任を糾弾されるとすれば、こうした社会の存在を見過ごしている私たち自身であった。私は警察がいうほど暴力団、暴走族などを非難する気はない。暴力団に脅かされるのはイヤであるし、暴走族にハネとばされるのも好きではない。しかし、根源的には、我々自身の責任だという認識がある。」(P116)

やっと巡り会えたなあという言葉です。
柳田民俗学に対しては、差別や階層の存在を認めていないことだと記しています。


[PR]
by masagorotabi | 2016-09-30 20:28 | 読書日記 | Comments(0)

若者

「若者ホームレス」        飯島裕子著
「若者はなぜ正社員になれないのか」川崎昌平著
「高校放浪記 1」        稲田耕三著を読む

若者がホームレスになる場合は、頼るべき家族の不在や、イジメ、人間関係といったものが影響しているという。
人が年を重ねると下品になっていくと思いますが、そうしないとバカにされたり見下されたりと、自分自身を守るということでもあると思います。
それにともない陰鬱な世情になって、ますます暮しにくくなっていく。

「高校放浪記」は40年前程の作品ですが、著者は5回も転校を重ね高校を卒業します。
父親、学校に反抗し喧嘩に明け暮れ、尖った高校生活をおくりますが、そこには陰鬱さはありません。

昔が良かったとか今が良いとも思いませんが、今の時代に参考にすべきことがあればそこから学び生かすことも大事なことだなとも思います。
[PR]
by masagorotabi | 2016-09-27 21:03 | 読書日記 | Comments(0)

裏日本

「裏が幸せ。」(酒井順子著)を読む

裏日本(日本海)の静謐さが書かれています。
作家でいえば泉鏡花、水上勉の作品があげられています。
これらの作品には幸福な女性は描かれていませんが、日本海という土壌でしか表現できない、そういったものかもしれません。
しかし、北前船が運航されていた時代は、こちらが表日本といわれていたのですけどね。

オートバイ、自転車で裏日本の道は走りましたが、道は比較的空いていますし、日本海というどこか寂しげな雰囲気も好きでした。
[PR]
by masagorotabi | 2016-09-13 11:19 | 読書日記 | Comments(0)