<   2015年 04月 ( 20 )   > この月の画像一覧

因習

「津山三十人殺し七十六年目の真実」(石川清著)を読む

本当は、こういった本を読むことは躊躇せざるを得ないと思っていたのですが、読んでみるとそれほどでもなかったです。

昭和13年に起きた事件ですが、好青年と思われていた青年がなぜ狂気に満ちた殺人を計画的に行なったのかが克明に記されています。

この犯人は、小説を書きそれを子供たちに読み聞かせ人気があり、それの歯車が狂ったきっかけは、兵役検査を結核ではじかれ、それが差別という形で村人たちから阻害されます。

古くからの因習の夜ばい姦通というのも当たり前のように行なわれ、百人ちょっとの村の人口で、十数人の女性と関係があったといいます。
関係のあった女性が、他の村に嫁に行ったことも深く事件との関係もあるということです。

電線を切るという所から事件は始まりまりますが、この電線を切った器具が見つかっていないことから、犯行を手伝った人物がいるのではないかと著者は考えます。
犯人の子供がいるのではというのも、不自然な女性の供述からも推理します。

この殺人事件は、無差別な事件ではなく怨恨という根の深いものが潜んでいます。
夜ばい(当時の村では必要悪だったのでしょう)という悪しき因習、差別、こういったものが犯人の心を壊し、空前絶後の事件を起こしてしまった。

wikipediaを見ると、助かった村人います。
悪口を言わなかったと人や仲良くしていた子供などですが、あとは容赦なく殺してしまっています。

最近の日本でも同じような事件が起きています。(この本にも記されています)
こうした事件が起こらないように、津山三十人殺しの概要は知っておいた方がいいかなと思いました。
[PR]
by masagorotabi | 2015-04-29 19:26 | 読書日記 | Comments(0)

生態系

「生態系は誰のため?」(花里孝幸著)を読む

トキの日本での繁殖は否定的に書かれています。
現在の生態系の中に、トキを入れてしまうと、生態系が狂ってしまうからというのが理由です。

バスやブルーギルについてもありますが、ワカサギもそもそもは害魚として扱われていたそうです。
ワカサギはそもそも海跡湖(淡水と海水が交わる湖)に棲んでいて、淡水でも生きられるということで諏訪湖に放流されたそうですが、小エビを食べてしまうので厄介者として見られていたそうです。
ですが、ワカサギがお金になるということで、益魚として現在に至ります。

バスやブルーギルは現在では厄介者で食べられる魚ですが、釣る楽しみとしての魚なので益魚として扱われません。
こう考えると、人間とはいかに自分勝手な生き物だとわかります。

著者は、森林と衰退を破壊されたとは見ないで、「生態系が変化」したと見るそうです。
多くの人が、生物種や生態系を客観的に見て、生態系が維持されているしくみを理解することが求められているのです」と結んでいます。
[PR]
by masagorotabi | 2015-04-28 19:44 | 読書日記 | Comments(0)

ドッペルゲンガー

「大正幻影」(川本三郎著)をパラパラと読み返していたら、谷崎潤一郎と芥川龍之介の比較がありました。
芥川龍之介は、終生自己分裂の問題に取り組んだ作家だろうと定義し、谷崎潤一郎はそれを快楽として楽しみ、芥川龍之介は病的なものとしてとらえたと記します。

だがしかし芥川龍之介は自殺していった。彼は、文学的仕掛けとして使った筈の自己分裂がいつのまにか実体となってしまい、自己分裂というもうひとりの自分に破滅されたといえないだろうか」(本文より)

谷崎潤一郎の作品で「秘密」というのがあり、その中に女装趣味の話が出てきます。
谷崎は、このように二面性というものを楽しみ、それを作品にしてきました。

女装趣味といえば、何年か前に「ありふれた奇跡」(脚本山田太一作品)というテレビドラマがあります。
加瀬亮さん仲間由紀恵さんの両父親が偶然にも女装趣味があったという話が出てきます。
それがバレることになるのかなあと思いきやバレずに終わっています。
山田太一さんもまた、二面性を楽しみ、人にはそういうものがあり、それを肯定しています。

人には、秘密が大事な時もあるということでろうか。
[PR]
by masagorotabi | 2015-04-26 19:39 | 雑想 | Comments(0)

日記

先日、「本当はひどかった昔の日本」を読んだあと、「津山三十人殺し」を思い出した。
昭和13年に起きた殺人事件である。

夜ばいという風習、村八分、悪口、こういったものが重なり怨恨が生まれる。
おぞましい事件であるが、現代にも通じるものも感じる。

人間というのは、どこか毒々しいものを秘めているということなのかもしれない。
[PR]
by masagorotabi | 2015-04-25 22:22 | 日記 | Comments(0)

昔の日本

「本当はひどかった昔の日本(古典文学で知るしたたかな日本人)」(大塚ひかり著)を読む

昔は良かったというのが、口癖になってしまいそうですが、古典文学や本当の昔の日本の姿は今までの価値観を翻ってしまうものがあります。

昨今の日本でも残忍な出来事がありますが、昔にも同じ(あるいはそれ以上)ようなことがあります。
障害を持って生まれた子供は平気で殺してしまうし、動物虐待は当たり前、凶悪的なことや差別は日常にありました。
(綱吉の「生類憐みの令」は、当時の時代背景を考えれば、正当な法令だったのかもしれません)

比較的最近の戦前では、15歳の少年が複数の幼女を強姦とか、少年犯罪は今以上に行なわれていなのであろう。

メイドインジャパンというと、良製品を思い浮かべますが、第一次世界大戦から第二次世界大戦までの日本製品というと、安かろう悪かろうの製品だったといいます。(「おとなの教養」(池上彰著)より)

現代も色々と問題のある時代だと思いますが、日本の歴史から考えると、それほど悪い世の中ではないなあと、そんな感想を持ちました。
[PR]
by masagorotabi | 2015-04-23 19:44 | 読書日記 | Comments(0)

武甲山

d0163154_1930957.jpg


セメント採掘のため削れてしまった武甲山ですが、高度成長期に身を削って手助けをした・・という言い方をする人たちがいますが、その言葉を聞く度に懐疑的になってしまいます。(もちろんその方達や武甲山をを非難することもありません。)

かつて東京(江戸)は、水の都と言われるくらい水路が張り巡らされていました。
明治開国以降、次々と水路は潰されその姿は激減してしまい、芥川龍之介や永井荷風は憂いました。

長い歴史のある日本なのに、古き良き世界は点在するのみになっていくなあという印象があります。
[PR]
by masagorotabi | 2015-04-21 19:42 | 雑想 | Comments(0)

男の嫉妬

「男の嫉妬(武士道の論理と心理)」(山本博文著)を読む

色々な形の嫉妬が記されています。
武士道「葉隠」を書いた山本常朝も、嫉妬が含んでいるとありますし、綱吉の側近、柳沢吉保は成り上がりとしての嫉妬を受け、田沼意次もしかり、長谷川平蔵もまた庶民の人気がありすぎて町奉行になれなかったりします。

嫉妬がからんで、それが正当な評価として後世に残ってしまうことがあります。
「生類憐みの令」としての綱吉は、あまり評判はよくないですが、最近では名将軍ではなかったのかと再評価されています。
田沼意次も賄賂政治の権化として描かれていましたが、功の部分に光が与えられてこちらも再評価されています。

世の中は誤解がつきもので、私たちはあえて(?)その誤解に便乗してしまうことがあります。
でも、嫉妬という部分を弾いて考えてみると、世界がクリアに見えてくる。
もっともっと精査して物事を考えていかないといけないのだろうなと思うのである。
[PR]
by masagorotabi | 2015-04-20 20:28 | 読書日記 | Comments(0)

落書き

d0163154_2282237.jpg


アドラー心理学についての本をサラッと読んでみたのですが、私たちの多くは何か事が起こった時にその原因を考え悩みます。
時には、都合のいい言い訳を考え、今この状況はその時のためだと自分自身を言い含めます。

アドラー心理学では、原因よりも目的を掲げています。
反省したなら、前向きに生きる事を考えなさいということなのでしょう。

性格は自分で決めたのであって、その性格を悩む必要はない、これがアドラー心理学だそうです。
[PR]
by masagorotabi | 2015-04-18 22:17 | 落描き | Comments(0)

「知られざる水の「超」能力」(藤田 紘一著)を読む

水というものが、いかに人間のために働いているのがよく分かります。

ただし、日本の水道水には世界的に見ても郡を抜いているほどの塩素が入っているとのことです。
塩素のもとになっているトリハロメタンという発がん性物質があり、気をつけなければならないということなのでしょう。

どうして群を抜いて塩素が入るようになったかは、日本人の清潔好きが川を汚しその反動とのこと。
あと牛乳を飲み過ぎると、白内障のリスクが高まるという点が気になりました。
[PR]
by masagorotabi | 2015-04-17 19:41 | 読書日記 | Comments(0)

裏切り

「人はなぜ裏切るのか(ナポレオン帝国の組織心理学)」(藤本ひろみ著)を読む

ナポレオンというと、どこかかっこいいというイメージがあったのですが、この本を読むと、ずいぶんと嫉妬深い性格と描かれています。

身長はそれほど高くはなく、力で皇帝の座をものにしたから、下からの力にどこか怯えた部分があり、それが嫉妬として表れたのかもしれない。

自分の力で支配したいという気持ちは多くの人の願望であるうけれど、それが強い人ほど裏切りを味わうことになるのだろうか。

愛情、憎しみ、イジメなど、これらも支配の裏返しのような気もします。
[PR]
by masagorotabi | 2015-04-16 19:05 | 読書日記 | Comments(0)