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古典

「方丈記私記」(堀田善衛著)を読む

東京大空襲時に著者は「方丈記」を痛切に身近に感じます。
前半は、大空襲を下に、後半は鴨長明の文献をひも解いて人となりを追求しています。

巻末には、五木寛之氏との対談がありますが、その中に鴨長明はジャーナリストの気質があり、物語の主人公にはなりえないとあります。
たしかに、鴨長明を主人公にした物語はありません。
頭で考えるよりも足の方が先にでてしまう、そんな行動派だったようです。

私たちはなぜ古典に親しむのか?そんな答えもこの本の中に記されています。
歴史が大きな転換をしようとする時、その転換の只中に置かれた人々の心の持ち方というものが、洋の東西、あるいは時の古今において、そうそう変わったものである筈はない。さればこそ古典は、生きた人間のための古典として生きうるのである。」(p107)
古典落語を何度聞いても面白く聞けてしまうのは、こういった理由もあるのであろう。
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by masagorotabi | 2016-11-24 19:18 | 読書日記 | Comments(0)

未来

「かけがえのないもの」(養老孟司著)を読む

未来について書かれてあったのが気になりました。
手帳に予定が書かれたものは、それは現代であると・・
ミヒャエル・エンデの「モモ」という作品を引き合いに出して書かれてありましたが、あらためて考えてみればそうですね。

予定というのは、それだけで行動を限定されてしまう。
私たちにとって「未来」というのはどういうことなのか、そんなことを考えさせてくれる文章でした。
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by masagorotabi | 2016-11-22 20:27 | 読書日記 | Comments(0)

知の逆転

「知の逆転」(インタビュー 吉成真由美編)を読む

外国人の人類学者、経済学者、科学者など、インタビュー集です。

気になった記事を箇条書きにて記します。
・文明国の方が殺人は減っていて、ニューギニアの原住民で起こった殺人率は、第二次世界大戦の欧米で死んだ比率よりも大きい。
・古来の日本では、糖尿病、脳卒中は殆どなかった。
・米国は、核の抑止力を目指しているのではなく、核支配を目論んでいる。
など。
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by masagorotabi | 2016-11-19 21:23 | 読書日記 | Comments(0)

人に伝えられないこと

雑誌「ブルータス」を図書館で借りてきました。
「こんにちは、星野道夫。心を満たす、極北の物語。」という特集のもので、またこの号を買いそびれてしまったなあ。

この中に、養老孟司さんの文章に心ひかれるものがありまして、「人に伝えられないこと」に人生の意味があるのか「人に伝えられること」に人生の意味があるのか、という問いがありました。

星野道夫の文章や極北の写真は、「人に伝えられない」ことを表現しようとし、それを創造性と定義しています。
だから、亡くなって20年経っても読み継がれてきたのだろうし、生きるということは、こういうことなのだろう。
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by masagorotabi | 2016-11-10 22:24 | 読書日記 | Comments(0)

食育

「食べるって何?(食育の原点)」(原田信夫著)を読む

ヒトと食との原点について綴ってありますが、どのようなものを食べればいいのかはそれほど書かれてはありません。

最近、不食についてネットで調べてみたのですが、一日一杯の青汁で過ごす人もいて、それほどヒトは食べなくてもいいものかと驚きと感銘をもちました。
食べるという行為は、内蔵にも負担をかけますし、健康体を保つにはそうした方がいいのかもしれません。

ですが、美味しいものを食べることも人間らしいことで、ストレスを発散する行為でもあると思います。
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by masagorotabi | 2016-11-07 20:54 | 読書日記 | Comments(0)

戦争

「日本兵を殺した父(ピュリッツアー賞作家が見た沖縄戦と元兵士たち)」(デール・マハリッジ著)を読む

猟奇的な事件が起きた時に、目を覆いたくなる気分にさせられますが、戦争というのはそれが日常的に起きます。
沖縄戦時、日本兵は沖縄の民間人を虫けらのように扱ったとか、そんな記述を読むと戦争は人間を狂気させるのだなあと思います。

日本兵はしぶといという記述もありましたが、もし本土決戦になったら多くの民間人、日本、アメリカの兵士が死んだであろうという憶測があり、それによって原爆投下を正当化されたりします。

記憶は定かではないのですが、日露戦争で日本が勝利した時に、アメリカは「オレンジ計画」というものを作成して、日本を植民地にした時に、どのように行動するかを定めたそうです。
元米軍兵士の言葉で、アメリカは戦争が好きなんだというのがこの本の中にありましたが、歴史をみれば、インデアンを虐殺してアメリカを作り、メキシコからカルフォルニアを奪い、その後も戦争に(言いがかりをつけて)加担をしています。
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by masagorotabi | 2016-11-03 20:48 | 読書日記 | Comments(0)

女装

「女装をして、一年間暮らしてみました。」(クリスチャン・ザイデル著)を読む

男の中にも、女性的な部分があるそうで、著者は試しに女装をするのではなくて、女性的な部分が女装という衝動にかられました。

女として男を眺めてみると、ファッション、行動について男は常に武装して自由さを感じられないという思いを抱くに至ったそうです。

女装を通じて思ったことは、「普通」が絶対的な基準となり、それにそぐわないものに対しては攻撃を始め、全体主義という状態に「普通」がおとしめてしまうことを懸念します。

男にしろ女にしろ、多少は異性の感性というものを持っているのだから、女装をしたり男装をしたりして相手の立場を分かり合うことも必要なことなのかもしれません。
(ただ、無理解で離れていった友人たちがいたそうですが)

尾木ママさんは、女性言葉を使うことで、相手に伝わりやすいからと語っていたのを見たことがありますが、男がそういった言葉を使うことでそういう面があるのだろうと思います。

オカマバーというのは一度も行ったことがありませんが、ああいった人たちは男という生き物を一番理解しているひとたちなんだろうなと思います。

余談ですが、山田太一脚本のドラマで、結婚相手の両親(岸部一徳さんと風間杜夫さん)が共に同じ女装クラブの会員であったという展開のものがありましたが、この本を読んで女装をするという行為は「変」なことではなくて、「普通」の出来事なのだろうと思いました。
山田太一さんは、そのことを一番理解していた方なんだろう。(今頃気づく私はバカだ!)
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by masagorotabi | 2016-11-01 20:07 | 読書日記 | Comments(0)