「逝きし世の面影」(渡辺京二著)を読む 明治期に来日した外国人が、日本の印象を綴った本です。 かつてはこんな日本人であった、古き良き日本、そういったことが書かれてある読み物ですが、普段こういった類の本を読むと、良いことばかりが書かれてることが多いです。 中には日本のことが嫌いな人たちもいて、性風俗に対しては苦言を呈することも多いということです。 混浴(夜中には姦淫もあったらしい)や春画、春本なども至る所で売られ、それらを若い女性が見て楽しんだり、買ったりする光景は当たり前のようにあったそうです。 大らかといえばそうなのでしょうが、幕府がこうしたことを制限しなかったのは、ガス抜きの意味もあったのだろうか。 #
by masagorotabi
| 2023-09-06 21:29
| 読書日記
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「死すべき者たちとは、人間のことです。 人間が死すべき者たちと呼ばれるのは、 人間は死ぬことができるからです」(ハイデガー) 動物は生を終えるのみで、人間は死ぬことができると説明します。 死を意識したときに、人間の存在が輝き、生きる価値ができるのだろう。
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by masagorotabi
| 2023-09-01 20:37
| 落描き
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「日本の思想」(丸山眞男著)を読み返してみました。 ささら型というのは、扇状にひらけていく文化、たこつぼ方というのは文字通りです。 日本の場合は、たこつぼ型と語っています。 たこつぼ型では、その組織内だけで通じる隠語がまかり通ったり、横のつながりがなかったりとします。 元々、日本はこういった世界観だったのだろうかと思いますが、折口信夫の説によれば、「マレビト(外の人)」という者が、その組織を活性化したりします。 閉塞した空間を前進させることもあったのでしょう。 中国から漢字が入ってきても、ひらがな、カタカナを発明してしまう。 このように日本には、ささら型といった面もあったと思いますが、明治の開国やGHQの支配下のように、180度世界が変わっても文句すら言わないこともあります。 こうした面は、たこつぼ型の典型なのでしょうが、一つ間違えば権力者の言いなりになってしまうということもあるのでしょう。
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by masagorotabi
| 2023-08-24 20:24
| 雑想
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「快挙」(白石一文著)を読む 一人の女性との出会いが快挙、悪い出来事があっても生きていることが快挙、そんなことを思いました。 主人公は、幼少の頃に父親から虐待をされます。 その出来事を通じて、こんな思いを吐露します。 「人は卑屈になったとき、他人を心底傷つけることができる。なぜなら、彼らはそうやって自分自身を罰しているつもりだからだ」 虐め、虐待、パワハラ、陰口悪口、足を引っ張って邪魔をする、誰々があなたの悪口を言っていると忠告する人など、こうした根底には上記のような感情が渦巻いているのだろう。 自分ではどうしようもないから他人を利用して投影したりする。 日常茶飯事にありますね。 情熱を持ちさえすれば卑屈にはならない。
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by masagorotabi
| 2023-08-14 22:47
| 読書日記
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中古車販売ビッグモーターの件がニュースになっていますが、よくここまで悪に手を染められるものだなと思います。 組織というのは綺麗事ではなく、多少悪事にも加担することもあるということは誰もが認識していることだと思うけど・・ ナチス時代に多くの人たちを死に至らせたアイヒマンが逃亡の末、裁判にかけられた時、それを傍聴したハンナ・アレント女史は、アイヒマンの行いを「凡庸な悪」と称しました。(当時は叩かれました) 極悪非道には思えないアイヒマンは、ごくありふれた人物でした。上の指示に愚直に従った結果、罪のない人間を死に追いやりました。 誰もがそんな悪を持ち得ることの恐怖を抱えていると言えるでしょう。 それを認識できる能力があるかどうかも問われます。 ナチスの兵士の中にも、ユダヤ人を隠まった人たちもいました。 そういう人たちとアイヒマンの違いは何だったのでしょうか? ビッグモーターで働く人たちの中にも、社風を変えたちと思った人たちもいて、やめざるを得ない人たちもいたでしょう。 そして、悪に手を染める人たちもいたでしょう。 その違いはなんだったのか? 我々は傍観者ではなく、このことを考えていくことも必要かと。
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by masagorotabi
| 2023-07-30 22:44
| 雑想
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