最近は、所有している音楽CDを聴くことが多くなりました。 白洲正子の本の中に、小林秀雄の逸話は多く登場するのですが、その中に骨董を買った時の出来事があります。 決して生活は楽ではなかった当時の小林秀雄は、折角買った骨董を、鎌倉に帰る電車の中で酔っぱらって忘れたことがあるそうです。 過去を振り返らなかった小林秀雄にとっては、その骨董はどうでもよい代物になっていたのだそうです。 極端な話、用のないものになったのだと白洲正子は記しています。 骨董というものは、買ってみないと分からないものだそうで、買うという行為で、その骨董は自分と初めて融合し分ちあえ、自己完結して、はっきりとソレが見えるということなのかもしれません。 ソレというのは、大切なもの価値のあるものという意味ですが、買うという決断するまでの見極める時間は、分かるまでの授業料かもと思います。 ただより高いものはない、という言葉は、みすみすそういった時間を浪費しているという意味かもしれません。
by masagorotabi
| 2013-04-05 20:12
| 落描き
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