カテゴリ:読書日記( 294 )

白い航海

「白い航海」(吉村昭著)を読む

薩摩藩軍医だった高木兼寛は、脚気の原因を食物の摂取と考えていましたが、当時の外国人の医師や日本の医師は細菌によるものだと考えていました。

食べ物を変えるだけで治る病気なのに、それが出来なかったのは古くからなじんできたコメという文化でした。

特別な環境の中にいる軍人ならずとも江戸庶民の中にも脚気で苦しんでいた人は多かったというし、ご飯をおかずにご飯を食べるというコメ好きもまたそれに拍車をかけてしまったのだろう。

シェリーマンの本の中に、当時の日本人は皮膚病が多く、その原因は米食と魚食であると書かれてあったのを思い出しました。
それが事実かどうかわかりませんが、偏った食事は体には悪いのだろう。

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by masagorotabi | 2018-06-14 20:46 | 読書日記 | Comments(0)

シュリーマン

「シュリーマン旅行記 清国 日本」(ハインリッヒ・シュリーマン著)を読む

トロイヤ遺跡の発掘に成功したシュリーマンの明治期に訪れた旅行記です。

こうした本はよく読んできたので、これといって目新しい情報というものはないのですが、世界で一番清潔好きというのも当時訪れた外国人はそうに感じているようです。
清潔好きといっても、過度に神経質になるのではなく、銭湯などでは混浴でお互いが裸でいても気にしない朗らかさは持っていたようです。(後に外国人に批判され混浴は廃止になりましたが)

「ヨーロッパで必要不可欠だとみなされてたものの大部分は、もともとあったものではなく、文明がつくりだしたものであることに気がついた。寝室を満たしている豪華な家具調度など、ちっとも必要ではないし、それらが便利だと思うのはただ慣れ親しんでいるからにすぎないこと、それらぬきでもじゅうぶんやっていけるのだとわかったのである。」(p83~84)

以前読んだ本の中には、当時、「私たちには歴史というものがありません」と思った日本人もいたそうですが、こうして振り返ってみると日本の良さというものは、世界がうらやむほどの文化というものを形成していたというのを発見できます。

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by masagorotabi | 2018-05-27 20:48 | 読書日記 | Comments(0)

日航123便

「日航123便 墜落の新事実(目撃証言から真相に迫る) 青山透子著)を読む

日米の軍事演習中に誤って日航123便を傷つけてしまい、墜落するまで123便を2機のファントムが追尾していたといいます。(複数の目撃証言あり)

場所を特定できなかったのではなく、その証拠隠滅のための時間稼ぎがほしかった。
そして、そのためにガソリンとタールを含んだ燃料で焼き尽くした、というのがこの本に書かれています。

これが本当であれば、国家が己の身を守るために殺人を行ったことになります。

当時、自衛隊員が射殺されたというテロップが流れたそうですが(直ぐに誤報と訂正された)、証拠隠滅中に現れた自衛隊員を射殺ということであれば納得いくテロップであるのだろう。

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by masagorotabi | 2018-05-22 19:45 | 読書日記 | Comments(0)

龍馬の家計簿

「龍馬の家計簿」(大村大二郎著)を読む

お金の面から見た龍馬を描いています。

脱藩時、友人知人から20両を借りて旅立っています。
4年後、姉乙女に描いた手紙には男一人で暮らすには年60両が必要と書き記しています。(大江卓の伝記によれば、当時長崎でそばが一杯16銭、1両あれば300杯食べられたそうです)

当時は浪人が多く、その人たちは皆で金を出し合ったり、商家などが援助したそうです。(中には強盗などした輩などもいた)
商家もまた、見返りとして浪人たちから情報を得たりしていました。

龍馬は常に金欠で、金づるとして土佐藩の佐々木高行、岩崎弥太郎らが援助していたそうです。
死ぬ1か月前には、後藤象二郎からも15両の金を無心しています。

海援隊を結成して武器の売り買いをしても龍馬自身は商才がなかったようです。

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by masagorotabi | 2018-05-18 13:57 | 読書日記 | Comments(0)

アウトサイダー

「スター・ウォーズ論」(河原一久著)を読む

未だにスター・ウォーズを見たことがないのですが、こうした映画がなぜ民衆に受け入れたのかを時系列で説明した部分が印象的です。

産業革命、活版印刷によりヨーロッパなどで啓もう活動がはじまり、一部の人しか与えられなかった「学ぶこと」が一般の人たちにも拡がります。
2度の大戦により、侵略のための戦争に嫌悪した社会の中から、多くの運動家や思想家が生まれます。
芸術家の中からも「考え、そして行動せよ」と訴え続けます。

こうした中から、結果として異質なものとみなされ孤独な道をたどる人たちが生まれます。
コリン・ウイルソンはこうした人たちを「アウトサイダー」と呼び、その破滅的な末路の解決策として「アウトサイダー・サイクル」と呼ばれる一連の著作で見出そうとしました。
結果的に結論は至らずに終わっているそうです。

黒澤明監督も、作品の中に多くのアウトサイダーを描いており、共生というテーマで映画にしています。
ルーカス監督も、共生をテーマにスター・ウォーズを描いています。

ニーチェもまた共生を訴えました。
そして「全肯定」という境地に行き着き、すべてを受け入れた上で「共いに生きる」その境地をニーチェは「超人」と呼びましたが、本人は誰からも理解されずに発狂して死を迎えてしまいました。

時代の流れの中で、こうしてスター・ウォーズが受け入れられたというわけです。
今度、見てみようと思います。


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by masagorotabi | 2018-05-13 17:47 | 読書日記 | Comments(0)

ゾルゲ

「ゾルゲの見た日本」(みすず書房編集部編)を読む

ゾルゲという名を聞くと、戦時中ソビエトのスパイというくらいでした。

この本を読むとゾルゲがいかに日本を熟知していたというのが分かります。
朝日新聞の尾崎秀実(おざきほつみ)もそれに加担し、活動を続けていました。

ふたりともインテリで、ゾルゲはスパイ活動をしていなかったら哲学者になっていたといいます。
尾崎もまた教養人で共産党主義を理想とし、信念を貫きました。

戦争という悪魔の世界で、尾崎は国賊と呼ばれようともそのような生き方をしなければならなかったのかに関して興味が湧きました。



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by masagorotabi | 2018-05-06 19:39 | 読書日記 | Comments(0)

ゴールドラッシュ

前回の「驕れる白人と闘うための日本史」の続きになります。

日本にもゴールドラッシュというのがあり、それは日本の金が搾取されるという形で、海外に渡ってしまいました。

開国時、通常条約で金と銀との交換比率が1対5(国際的には1対15)で結んでしまったために、8か月間で日本の金貨が底をついてしまいました。
その連中の多くは詐欺師、夜逃げ店員、カルフォルニアで金鉱堀で失敗した食い詰め者、脱走水平なので、治安も悪くなり、領事ハリスは金貨が底をついた時に、幕府に国際比率にするようにと提案したそうです。
銀と銅にも同じようなことがおこり、日本ではインフレ、生活困窮が続いたそうです。

オランダの医者ポンぺ・ファン・メーデルフォールトはこのように語っています。
「我々白人に対して、日本人から呪いと罵りの言葉しか聞こえなくても不思議ではない。一般庶民ほど、我々の罪によって一層貧困に沈んでいったのである」

生麦事件でも理不尽に白人から押し付けられましたが、オランダの医者ポンぺがイギリスの家族に会って話す機会があり、その家族は法律上の状況を理解し、家族がなくなったことは悲しいが、サムライを非難することはできないと理解したそうです。





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by masagorotabi | 2018-05-03 19:37 | 読書日記 | Comments(0)

驕れる白人と闘うための日本近代史

「驕れる白人と闘うための日本近代史」(松原久子著)を読む

1989年にドイツ語で出版された本書ですので、ドイツ人へ向けた本であるという前提で読みました。

江戸時代は鎖国制度で長崎でオランダ、中国人との交流しかありませんでしたが、その人を通じて南アジアの動向は幕府は認識していたそうです。

アジア諸国は白人たちによって植民地化され、唯一日本は植民地にはならず、独自の路線で白人たちと闘ってきました。
それが良かったのか悪かったのかは私にはよくわかりません。

コロンブスによるアメリカ大陸の発見というのも、あくまでも白人側からみた歴史であって、それに追随する必要もないのではないか?
こんな風に思えてきます。

多くの日本人は白人に対して劣等感を持っていると思いますが、白人に戦いを挑んできた日本人もいたことを誇りにしてもいいんじゃないかと思います。

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by masagorotabi | 2018-04-30 20:09 | 読書日記 | Comments(0)

加田伶太郎 作品集

「「加田伶太郎作品集」(福永武彦著)を読む

加田伶太郎とは福永武彦の別名です。

大学の助教授が難事件を紐解く探偵小説集です。
普段はミステリーはあまり読まないのですが、短編集なので読みやすく、面白かったです。

著者がこうした作品を残していたとは知りませんでしたが、純文学とは違い同じ作者が書いたものだとは感じられませんでした。


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by masagorotabi | 2018-04-13 22:01 | 読書日記 | Comments(0)

雑草

「雑草社会がつくる日本らしい自然」(根本正之著)を読む

雑草という名を聞くと、無駄なものというイメージがありますが、里山のような多様性の富んだ自然の中の野草は美しいとさえ思えます。

ただ、そうした雑草の多様性は人間が管理しないと成り立っていかないことが難しいところなのでしょう。

雑草にも戦略があり、勢力の強いものに淘汰されてしまいますから、管理しないとそうした草に制圧されてしまうのでしょう。

雑草という名前よりも、野草という名前にした方がイメージがよくなるような気がします。

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by masagorotabi | 2018-03-31 19:28 | 読書日記 | Comments(0)