カテゴリ:読書日記( 332 )

立ちあがる東京

「立ちあがる東京(廃墟、復興、そして喧騒の年へ)」(エドワード・サイデンステッカ―著)を読む

関東大震災以後の東京のことが描かれていますが、前編として大震災までを描いた「東京 下町 山の手」という本もあります。
この一冊を読んでいるだけで、東京の歴史が分かってしまうというほど詳しく描かれています。

著者は、「源氏物語」「雪国」「細雪」などを英訳した人でも知られていますが、日本人のノーベル文学賞の選考にもドナルド・キーン氏とともに影響を与えたと言われています。

川本三郎氏のあとがきには、永井荷風の「日和下駄」がモチーフになっていると書かれていますが、江戸文化が多少なりとも残っていた下町を愛した荷風を重ね合わせた印象を受けます。

25年以上前に出版された本ですが、良書なので再販してほしい本のひとつです。

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by masagorotabi | 2018-12-14 19:59 | 読書日記 | Comments(0)

読書日記

「恋歌」(五木寛之著)を読む

5,6年前に読んだ本だけど、再読。
内容を忘れてしまったけど、途中で思い出す。
40年前に書かれたあ本なので、時代的背景は古さを感じるけども、内容は普遍的な恋物語。

「あの頃(単行本未収録エッセイ集)」(武田百合子著)を読む

こちらも随分と昔のエッセイ集。
リズム感の良い文章で、ポンポンと読み進めることができる。
映画の話が多いが、ごくありふれた日常は著者にかかると面白い日常に変化する。
著者には「富士日記」という名著があるけれど、日記を書くという行為が生活を彩る行為に感じられる。

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by masagorotabi | 2018-12-11 20:44 | 読書日記 | Comments(0)

怠惰の美徳

「怠惰の美徳」(梅崎春生著)を読む

好きなもの 酩酊 無為
嫌いなもの 子供 人込み 病気という著者は、生まれつきじっとしているのが好きで、刺激を好みません。

引っ越しもよくしていたそうですが、その理由として長く住むと歩いているだけで頭を下げたり話したりするからだそうです。
太宰治の数十回引っ越しをしていますが、その理由もこうしたことかもしれませんと邪推します。

外からの刺激を好まないということは、自分からの刺激を相手にあてつけるということもないですし、相手の足をわざと踏みつけたり、そのことを忘れてしまったりすることもないということです。
なんという平和な世界なのだろう・・

こんなことも記されています。
「火野葦平談によると、イギリスで小説でめしを食っているのは五指に満たないという。我が国にあっては百指をあまるだろう。文運隆盛というできか」(p66)
この時代はイギリス同様、アメリカでも同じような環境のようですね。
以前にも書きましたが、「なんでも見てやろう」(小田実著)の中に、ヘンリー・ミラー(だったかな?)の全集が日本で読まれ、その印税の小切手を手にしたヘンリー・ミラーが小躍りして喜んだということが記されてあったと思います。
このことからいえることは、日本では読書家という人たちが沢山いて、多くの小説家を育んでいたということがわかります。

梅崎春生は著作権フリー作家なので、青空文庫でいくつかの作品を読むことができます。


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by masagorotabi | 2018-12-02 20:21 | 読書日記 | Comments(0)

ウイスキー

「ウイスキーと私」(竹鶴政孝著)を読む

著者はニッカウヰスキーの創始者で、だいたい読まなくても内容は分かっているのですが、ウイスキーの飲み方については興味深かったです。

たまに飲むのであれば、どういった飲み方でもかまわないけれど、毎日飲むのであれば水割りでウイスキー1に対して水は2、ビールを飲むときの温度で飲む方がよいとあります。(氷は推奨していません。)
お酒と食べ物は楽しい時間を過ごすためのもので、ゆっくりかけて飲むがよいとあります。

私はといえば、最近は酒を飲むことはしていません。理由はいくつかありますが、書くほどでもないので書きません。(笑)

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by masagorotabi | 2018-11-26 20:41 | 読書日記 | Comments(0)

不眠

「ぼくは眠れない」(椎名誠著)を読む

著者がどのような過程で不眠症になってしまったのかも記されていますが、結局はストレスが原因なのだと思います。

多くの国を旅行をし、発展途上国といわれる国では夕暮れ時になるとみんな表に出てきて、たわいもない会話を交わす姿を見て、この国には不眠症になる人はいないのだろうなあという感想を著者は持ちます。
日本で6人に1人、アメリカでは3人に1人が不眠症と言われているそうですが、そのヒントはこの人間らしい行動に潜んでいるように思われます。

現在も著者は毎日睡眠薬を飲んでいると書かれていますが、医師の指示と現状を認識していれば薬はそれほど危険ではないとあります。
著者の場合はそれほど重度の不眠症ではないとありますが、不眠症ではない私から見れば不眠症とはずいぶんと大変な病気なのだと思います。

ストレスを溜めない生活をするには、物事を悪意に取らず、陰口は言わず(他人の悪口を言ってストレスの解消になるとは思えない)、現状認識を怠らずってところかなあ。

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by masagorotabi | 2018-11-22 19:44 | 読書日記 | Comments(0)

郵便不正事件

「私は負けない(「郵便不正事件」はこうして作られた)」(村木厚子著)を読む

2009年に起きた郵便不正事件ですが、検察側の改竄で無実の著者を有罪にしようとした出来事でした。

検察は自分たちのストーリーに沿うようにと都合の良い言葉しか取り上げず、被告の真実の言葉を無視しようと事を進行させようとします。
途中で改竄に気付いた検事たちもいましたが、結局その人たちも口をつぐみます。

454日後、無実は確定され、逆に悪事を働いた検事を告訴しますが、国側が敗訴を直ぐに認め、賠償金を払うことで事件を終わらせます。
結局、どうして一人の人間をターゲットにして著者を陥れようとしたのかという真実は、分からずじまいになってしまいました。
そういう意味では、この事件はまだ終わっていないといえます。

検挙率99.9%なんていわれていますが、この中に無実の人たちを有罪にしたことはなかったのだろうか?


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by masagorotabi | 2018-11-18 20:41 | 読書日記 | Comments(0)

多読

「多読術」(松岡正剛著)を読む

本を読む理由として、知らないことを知りたいからというのをあげていますが、私もそれに当てはまります。
ただ、昨日の描いたショウペンハウエルはこのような言葉を残しています。
「いくら量が多くてもそれが自分の頭で考えず、鵜呑みにした知識であるなら、はるかに量は少なくても、充分に考え抜いた末に手にした知識の方が価値がある」


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by masagorotabi | 2018-11-12 19:58 | 読書日記 | Comments(0)

夏目漱石の坊ちゃん

伊藤整は「のだいこ」「赤シャツ」は薄汚い日本人の姿を見せてくれていると書いています。
こうした人間が一般的な人間であって、坊ちゃんのような快活で正義感の強い人間は稀であるといった方がいいのだろう。

権力には腰ぎんちゃくであり、陰口は常套手段で、姑息に相手を追い込んでいく。
これが、ごく普通の人間像だといってもいいのかもしれません。



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by masagorotabi | 2018-11-10 19:22 | 読書日記 | Comments(0)

宇宙船とカヌー

「宇宙船とカヌー」(ケネス・ブラウワー著)を読む

30年ほど前に出版されたほんですが、3年ほど前に買い求めてたまに読んでいました。

父親と息子の物語なのですが、父親は原子力で飛ぶ巨大宇宙船を作るのが夢で、息子は北の海でカヌーを作り自然に即した生活を選びます。

科学者の父親は戦争にも参加していて、制空権を失っていた日本に執拗なまでの爆撃に気分の悪い思いを感じます。
25年過ぎ、宇宙探検こそ暗黒の世界に浮かび上がった輝ける希望と科学に情熱を傾けることになります。

親子を通じて、アメリカの歩んできた歴史が少しだけ垣間見れたような気がしました。

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by masagorotabi | 2018-11-08 20:51 | 読書日記 | Comments(0)

誤訳

「歴史をかえた誤訳」(鳥飼玖美子著)を読む

大戦末期、日本はポツダム宣言の無条件降伏を迫られました。
その時に日本のとった対応は「黙殺する」でした。

当初は「静観したい」であったが、世情を考え「黙殺」にしたそうです。
それを英訳した時に、ignore(無視する) reject(拒絶する)とするのかで大きくかじ取りが違ってくる。
このことがきっかけでの原爆投下であったら、悲しいことです。

余談ですが、原爆の実験をしたときに、参加した科学者、軍関係者はそれを見た時に原爆投下には反対をし、結局、参加しなかった人たちが原爆投下のボタンを押してしまったそうです。

本書には、他にも誤訳に関する記述が載っています。


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by masagorotabi | 2018-10-30 20:42 | 読書日記 | Comments(0)